ダイヤモンド以外の婚約指輪ってぶっちゃけアリ?ナシ?
婚約指輪と言えばダイヤモンドを思い浮かべる方が多いですが、もちろん絶対にダイヤモンドという決まりはありません。個性的なサファイア、エメラルド、ルビーなどのカラーストーンは、ユニークな魅力を放ち、特別感を演出します。結婚を象徴する指輪だからこそ、自分たちらしい選択をしたいと考えるのも当然のこと。婚約指輪にダイヤモンド以外の宝石を選択するメリット・デメリットを考えましょう。
婚約指輪にダイヤモンドが選ばれるようになった歴史
そもそもダイヤモンドが婚約指輪に使われるようになったのはいつからなのか。その歴史を知ることで婚約指輪がさらに意味深いものになるでしょう。
世界史におけるダイヤモンドの婚約指輪の始まり
婚約指輪自体の歴史は古く、古代ローマ時代にはすでに婚約時に男性が女性に指輪を渡す習慣があったそうです。
そこから1000年以上の歳月を経てダイヤモンドが主役になるのは15世紀中ごろ、ダイヤモンドの研磨技術が進んできてからです。有名なのは1477年、ハプスブルク家のマキシミリアン大帝がブルゴーニュ公国のシャルル公の娘・マリアに送ったダイヤの指輪がダイヤの婚約指輪の始まりと言われています。
しかしその2年前1475年にタリアのコンスタンツォ・スフォルツァという人物が婚約者のカミッラに贈ったという話もあります。
また、19世紀後半にはヨーロッパ各国の老舗ブランドの台頭もあり、中でもティファニーの「ティファニーセッティング」が圧倒的な人気を誇るようになります。
日本におけるダイヤモンドの婚約指輪の歴史
一方、日本において婚約指輪の習慣が広まり始めたのは、戦後急激に西洋文化が入りだした1950年代からと言われています。特にダイヤモンドの一粒石の指輪が定着したのは1970年代、当時世界のダイヤ鉱山のほとんどを買い占め、ダイヤモンドの世界市場をコントロールしていたデ・ビアスグループによる「婚約指輪は給料の3カ月分」というプロモーションの影響でした。
婚約指輪にダイヤモンド以外の宝石を選ぶメリット
だいぶ前置きの話が長くなりましたが、それでは実際に婚約指輪にダイヤモンド以外の宝石を選ぶことにどんなメリットがあるのでしょうか。
個性的で面白い
一部のレアなカラーダイヤを除けば、一般的には無色や薄いイエロー・ブラウンのものが多いダイヤモンド。それに対し鮮明なブルーのサファイア、情熱的なレッドのルビー、深い森のようなグリーンのエメラルド、とカラーストーンには圧倒的な色の魅力があります。
また、誕生石や自分のパーソナルカラーに合った色の宝石を選ぶ楽しみ方もできます。
指輪のボリューム感
ダイヤモンドは他の宝石と比べると高価であり、カラーストーンは比較的安いか価格で手に入れることが可能です。
そのため限られた予算で婚約指輪を用意したい場合、ダイヤモンドでは小粒のものしか手が届かないが、カラーストーンなら意外と大きなものを用意できる可能性があります。(ただしパライバトルマリンなど小粒でもダイヤと同等以上に高いものもありますが)
豆知識 ダイアナ妃のサファイアの婚約指輪
世界で最も注目を集めたダイヤモンド以外の婚約指輪といえば、何と言っても1981年にダイアナ妃がチャールズ皇太子(現国王)から受け取ったサファイアの婚約指輪ではないでしょうか。
婚約指輪の主流がダイヤモンドであることはイギリスでも同じですが、元々サファイアはイギリス王室から愛され続けてきた特別な宝石でもあります。
ただ、ダイアナ妃が選んだサファイアの指輪は、王室御用達のジュエリーブランド「ガラード」のものではあるものの、カタログに掲載された既製品でした。
それまでのロイヤルメンバーは何世紀にもわたって、ジュエラーによるオーダーメードの品を婚約指輪としてきたため、ダイアナ妃の選択は一部の層からの批判を受けました。
憶測ですがこの選択は、庶民の出であるダイアナ妃の王室への反抗心と庶民に寄り添う気持ちの表れだったのかもしれません。
ちなみにこのサファイアの婚約指輪ですが、後に故人となったダイアナ妃の遺品からウィリアム王子が受け継ぎ、現在はキャサリン妃に渡されています。
婚約指輪にダイヤモンド以外の宝石を選ぶデメリット
ダイヤモンド以外の宝石には個々に違った魅力がありますが、一方でデメリットが多いことも知っておかなければなりません。
意外と選択肢が少ない
そもそもジュエリーショップを覗くと、圧倒的に品揃えが多いのはダイヤモンドが主役のジュエリーです。さらに「サファイア」や「ルビー」などターゲットを絞り込むとなおさら数は絞られてきます。
また、既製品を購入する場合はいいですが、裸石のカラーストーンを入手してそれを好みのデザインの指輪にしたい場合は大変です。ダイヤモンドの場合は一般的に円形のものが多く、そのために用意された指輪のデザインも無数に存在します。
ですがカラーストーンは逆に円形のものの方が珍しく、楕円形やエメラルドカットのように角のある形のものも多いです。そのためその宝石に合ったデザインを探すことが難しく、デザインの選択肢も狭まります。
その宝石に合ったデザインで一から作る方法もありますが、それにはそれなりの出費を覚悟する必要があります。
宝石に求められる硬さ
見落としがちなのが宝石そのものの強さです。なぜダイヤモンドが宝石の王様として君臨し続けるかというと、それは「輝き」もさることながら圧倒的な「硬さ」に要因があります。
宝石の価値が上がる要因は「美しさ」「希少性」そして「耐久性」です。世界では意外と頻繁に新種の宝石が見つかります。
しかしどんなに美しくて珍しくても宝石としての耐久性が低いと人気は出ません。
ダイヤモンド以外の宝石の場合、長く使い続けたり雑に保管してしまうことで、摩耗し曇ってしまったり、鋭角だった部分が丸まってしまうことがあります。一方でダイヤモンドは地球上で最も硬い鉱物です。他の物質と擦り合わされても摩耗することはありません。
そもそもダイヤモンドの語源はギリシャ語の「アダマス」(征服しがたい)に由来します。その硬さゆえの不変性が永遠に変わらない愛の象徴とされてきた歴史があります。
パートナーの期待感
物質的な話が多くなりましたが、ココロの部分を忘れてはいけません。自己中心的な男性が陥りやすい失敗の大きな原因は、指輪を渡す自分に酔ってしまうことです。
まず立ち止まって考えてみてください。
特別なものを用意してあげたいという思いが突っ走って、肝心のパートナーの気持ちを置き去りにしていませんか。これまで長く付き合ってきて、パートナーの好みを完全に把握できているならいいのですが、「ダイヤの婚約指輪」に憧れを持つ女性が多いのも事実。
自分よがりな選択でパートナーをがっかりさせないよう、一度冷静に考えてみる必要があるかもしれません。
まとめ
確かに、ダイヤモンド以外のカラーストーンにはそれぞれの美しさや魅力があります。
一方で婚約指輪は一生に一度の大切な贈り物。耐久性や永遠の輝き、そして伝統的な意味を考えると、ダイヤモンドが他の宝石に勝る点は多いです。
多様性の時代に様々なプロポーズのスタイルがあり、様々な婚約指輪の選択肢があります。二人にとっての愛の象徴となる婚約指輪。どんな選択をするか、いちど立ち止まってじっくり考えてみてはいかがでしょうか。
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