ジュエリーにおける「 鑑定書 」「 鑑別書 」「 保証書 」って何が違うの?
あまり気にされたことはないかもしれませんが、ジュエリーを購入する際、一緒についてくる証書としては主に3種類「 保証書」「 鑑別書 」「 鑑定書 」があります。それぞれにはどんな目的や使い分けの理由があるのでしょうか。
「 保証書」「 鑑別書 」「 鑑定書 」の使い分け
この3つの証書。簡単には下記のように分類されます。
・保証書:販売元が自社の商品の品質を保証する
・鑑別書:宝石の種類を記す
・鑑定書:ダイヤモンドの評価を記す
それでは細かく見ていきましょう。
保証書
ジュエリーを販売した店舗が、その商品が自社の商品であり、その品質を保証するために発行するものです。アフターサービスを依頼する際などに添付する必要がある場合があります。
鑑別書
その宝石の種類が何なのかを科学的な検査に基づき示すものです。
基本的に「宝石」と呼ばれる類いのものであれば、何でも鑑別書を作ることができます。
たとえば赤い宝石の付いた指輪であれば、その赤い石がルビーなのか、ガーネットなのか、スピネルなのか、またはただのガラスのかを示します。
そして、その宝石がルビーだった場合はそれが天然なのか合成なのか、天然であっても人工的に色を改変させる処理がれていないか、などを調べます。
また、宝石の種類によって産地鑑別を行うことも可能です。しかしながら産地を完全に特定することは非常に難しく、産地鑑別は技術力のある限られた鑑定鑑別機関で限られた宝石にのみで可能です。そして大抵の場合は産地を完全に特定するわけではなく、あくまでも過去のデータに基づいて可能性の高い産地を示すことになります。
鑑定書 (グレーディングレポート)
ダイヤモンドの品質評価を示すもの。言うなればダイヤモンドの成績表です。
「4C」と呼ばれる代表的な4つの評価項目(カラット、カラー、クラリティ、カット)についての格付けに加え、蛍光性、寸法、鑑別特徴などが示されます。
一般的に 鑑定書 は鑑定機関と呼ばれる第三者機関が発行しますが、一部のブランドによっては自社内で発行することもあります。
基本的にルース(裸石)の状態で検査を行うため、リングなどの製品に加工された状態では依頼できません。
ただし、事前にルースの状態で検査をしておくことで、その後製品の状態で 鑑定書 を作ることも可能です。
小さいダイヤ(0.1ct以下)については発行されません。(鑑定機関について差あり)
あくまでも品質の評価であり、価格を表示したり保証するものではありません。
「 鑑定書 付きだからいいのもです」とも言い切れない。
一般的に「鑑別書」<「 鑑定書 」として扱われることが多いですが、だからといって単純に「 鑑定書 が付いているからいいものだ」と考えるのは少し危険です。
実は天然のダイヤモンド(原石ではなく磨かれたもの)であれば、品質の良し悪しに関わらず 鑑定書 を作ることができます。
しかし、低品質のダイヤに敢えて 鑑定書 を付けることは、コストを掛けて品質の悪さを証明することになってしまいますので普通はしません。それでも、部分的に良い評価が得られるもの、例えばキズは多いけどカットがエクセレントだったり、色は茶色だけどクラリティ(透明度)はVVS(上位)クラスだったりする場合、その良い部分をアピールするために敢えて 鑑定書 を付けることもあります。
つまり、部分的に高評価なところがあるので 鑑定書 が付けられていても、低評価の部分もあり、必ずしも総合的に高評価とは言えないものもあるということです。
また販売する側も、その「 鑑定書 付きだからいいもの」という一般ユーザーの先入観を見越して「 鑑定書 付き」にしているパターンもありえます。
販売する側は自社の商品に少しでも付加価値が与えられるように考えるものです。
ダイヤモンドを購入する場合、まずは基本となる4Cの各項目を確認する必要があります。
Diamond Showcaseでは流通量国内最大シェアで国際的にも認知度の高い中央宝石研究所の鑑定書(グレーディングレポート)を採用し、婚約指輪に適した品質のダイヤモンドのみを熟練のバイヤーが選定しております。